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zoom RSS 「坂の上の雲(一)」を読んで

<<   作成日時 : 2009/08/01 19:03   >>

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幕末・維新が好きだけれど、こうして維新後が舞台の小説を読むのは始めてだ。もっとも、漫画なら「るろうに剣心」を読んだけれど。でも多分、るろ剣より遥かに的確に明治という時代を捉えているに違いない。


でもこの本を読んでみて、思ったのは、幕末維新について知った上で読んだ方が百倍面白いということだ。なるほど何も知らずに読んでも小説としては充分楽しめるかもしれない。けれど、幕末にあった様々なドラマを知った上で読むと、そのドラマの上に新時代が成り立っているだけに明治という時代をよりリアルに感じられるのだ。だからこれから読む人は司馬遼太郎氏の幕末を舞台とした他作品を先に読むことをオススメする。


この「坂の上の雲」は、秋山好古(信さん)とその弟の秋山真之(淳さん)、それから真之の友人の正岡子規(升(ノボル)さん)の三人を中心に話が進められていく。部隊は明治初年。三人は旧伊予松山藩の出身だ。多分最終的には日露戦争の話になるのだろうけれど、一巻はまだ秋山兄弟が軍人になったところらへんで終っている。好古は陸軍で騎兵隊について学び、弟真之は海軍に入り、子規は病床に臥している。


この小説では様々なことに驚かされた。明治初年という時代にである。

たとえば、明治とはいえ東京の市民の地理感覚は江戸のままだったということ。目的地の場所を尋ねるより、「○○様の上屋敷はどこです」と江戸の頃の呼び名で聞いたほうが通じるということに、言われてみればそうだけれど、びっくりしたというか納得した。

それから教育機関やらなんやらが次々に整備されていったり新設されていったりする様子にも驚く。教育機関なんかはコロコロ名前が変わる。新しく何かを設立しても教育者がいない。あわてて掻き集める。外国から呼んできたりする。でも今度はそれを通訳できる者がいない。新設のものは、とりあえず作ったはいいが何をすればいいのか誰も知らない。万事そんな調子なのだ。日本が欧米列強に追いつこうと息巻いている様子がよくわかる。

そんな中、青年たちはなにかTOPに立とうと考える。そういう雰囲気の時代だから仕方ない。軍事や政治は薩長閥の子弟は有利だ。他藩、特に戊辰時に幕府方についた諸藩は、なんとか軍事・政治などに参入しようとこぞって子弟の教育に励み、少しでも旧藩をアピールできるよう画策する。廃藩置県が済んでもまだ旧藩の主従関係は色濃く残ってしまっているのだ。新時代になっても、数百年間くわせてもらった御恩は感じないわけにはいかないのだろう。

また文明開化のすさまじさも感じられた。好古が東京に出るとき、故郷の松山の港はただの砂浜で、沖にとまっている船まで伝馬船に乗っていった。しかし子規や真之が松山を出るときには小さな桟橋ができていて、子規が病気療養のため帰郷したときには立派な桟橋ができていて汽車も通っていた。しかし断髪していても服装はまだ江戸の頃のままで、真之が軍服を着て帰るとめずらしがられて笑われたりするような、そんな世の中だったらしい。


ほかにも驚いたのは、小説の主人公に文学者を書くということだ。歴史上の偉人、たとえば武将などはよくあるけれど、実在した文学者を主人公にした小説を私は今まで読んだ事がない(ただの無学かもしれないが)。文学に文学者を使う・・・これは少々奇妙である。


それと、軍言葉の「〜であります」っていうのが実は長州弁っていうのは本当なのだろうか。小説では山県有朋がその長州弁を軍の正式の言葉に定めたからこうなったとされている。そういえば似ているなぁとは思っていたが・・・もしそうなら、ケロロ軍曹は長州弁をしゃべっている!?とか思うのだけれど。


とにかく面白いのだが、つづきがどの図書館でもことごとく貸出中になっている。がびーん。
・・・みんな考える事は同じらしい、と思った。みんなドラマになることを知って、「8冊もあるから夏休み中に読もう!」と思ったに違いない。てかあたしと同じだ…。はやく続きが読みたいものだ。



坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
文藝春秋
司馬 遼太郎


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