テーマ:物語

夏の空

奇跡は突然やってくる。 こなつは走っていた。 走っても走ってもなかなか外に出られない。真っ暗な建物の中をひたすら走っていた。何かから逃げているのだが、それが何なのかわからない。 きゃっ・・・ つまずく。足がうまく運べない。 嫌。嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌…
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颯爽として

十四番隊に移籍しても、これといった収穫も進展もなかった。 ただ一つ、気になることはあったけれど― 東颯―十四番隊副隊長。彼は何故か、夕顔と重なる。同じポニーテールだからかもしれないけれど、それ以外にも何かありそうだった。 辛かった。 後姿を見ると、夕顔、と呼びかけたい衝動にかられた。どうしたんだ、よる、と笑って振り向…
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夕顔の咲く頃~3

夕顔が死神だったということを知ったのは、雪が融け、春の息吹に体をくすぐられる頃だった。よるはすぐさま死神の学校である真央霊術院(通称死神統学院)に入ることを決意する。猛勉強し、見事流魂街からの入学を成し遂げた。 「わたしは自分の名が嫌いだ。よるという響きが嫌いだ。…でも、夜という時間は好きだし、夕顔も好きだ」 いつからか、よ…
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夕顔の咲く頃~2

次第に心を開いたよるは夕顔にとても良く懐いた。いつも必ず夕顔のあとについて歩いたし、夕顔もよるを妹のように可愛がった。 よるはだんだんと言葉を発する事が出来るようになって、紅葉やら楓やら銀杏やらの葉を見つけては夕顔に見せに行き、松ぼっくりやらコナラやらクヌギやらの実を拾っては夕顔に報告をしにいった。 幸せな時が長く続…
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夕顔の咲く頃(―月神夜の過去―)~1

「どうしたの?」 深い紫色の瞳に、薄い色の髪をした少女が立っていた。少女の瞳は顎まで伸びた前髪に隠れ、奥で不気味に光っている。その髪は透き通るように淡い色で、時たま光の加減で藤色に煌めく。袖も裾もびりびりに千切れていて薄汚い、もはや服と言えないような着物を身にまとっていた。 この可笑しな少女に声をかける者があった。 「どう…
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にぢいろあめだま~20

世界は全て二つのものから成るという考えがある。 強者と弱者。立派な二つの関係。 強いものは生き、弱いものは死んでいく。世の中は俗に言う弱肉強食の世界だ。そんな世界がどうして成り立っていられるのだろう?世の筋書き通り弱者は死に、強者が生きるのならば、確実に世界は滅ぶだろう。何故この状態が維持出来ているのだろうか? それは食物連鎖のピラミ…
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にぢいろあめだま~19

世界は全て二つのものから成るという考えがある。 善と悪、光と闇、勝者と敗者…色々あるけれど、三つ目の可能性を皆知らない。 善と悪と偽善。光と闇と色彩。勝者と敗者と審判。 そして三つ目があったところでなにも変わらないのも確かだ。 偽善は善と呼ばれ、色彩は闇に呑まれ、勝敗はともに勝敗者の中で決まるのだから。 結局は、同じ事。 そ…
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にぢいろあめだま~18

「月神、今暇か?」 日向が飛鳥との面会を果たした数日後。寒かったり暑かったりの春の気まぐれな天気もだいぶ落ち着き、かわりに鬱陶しいくらいの蒸暑さが続くぐずついた天気が本領を発揮し始めた。 その日もまた息が詰まる程の湿り気が辺りを覆い尽くし、それに誘われるように灰色の雲が低く空から垂れこめていた。 「暇だけど」 と答えたものの、傘…
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にぢいろあめだま~17

和食というのは難しい。 学生にしてみれば何となく敷居が高い感があるし、値段もそこそこ掛かる。それに作法とか礼儀とか面倒臭いイメージが否めない。それを思うとやはりファストフードには敵わないだろう。 そしてまた日向も、人生最大の選択に迫られていた。 もともと和食は好きではなかったし、和食店に一人で入る様な経験はなかった。入ったとして…
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にぢいろあめだま~16

一方の日向はテスト後最初の部活をサボってまでどこへ行っているのかというと。 大宮にいた。何故この様な展開になったかをざっと説明しよう。 『伊東飛鳥を調べてみるといい』 そう明に言われたのを思い出したのはテスト週間で部活が休みになった三日後の事だった。始めは何の事か分からずに頭の隅にと追いやってあったのだが、ふとした拍子に気になりだ…
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にぢあめからお知らせ★

 ○__○     -------------------                      (◎>μ<●)   |  キャラに質問受付中!!           | ο| ̄Ⅹ ̄|ゞ  <   そのキャラが答えてくれるかも!?     | ∠⊥⊥⊥∟   |                            | …
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にぢいろあめだま~15

五月の風は思いの外緩やかに流れていた。毎日がぽかぽかと暖かく、昼寝にはもってこいの陽気だ。そんな陽気に加え、中間テストという魔の手から解放された学生達のテンションは異常なまでにハイだった。 そのテンションのせいもあってか、久しぶりの部活に部員達はやる気に満ち溢れ、一段と賑やかに感じられる。 バスケ部も又、テンションを一つに集中させて一…
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にぢいろあめだま~14

明が日向に別メニューを言い渡されるのと前後してしまうが、その三日程前の放課後、体育館での事。珍しくその日はバスケ部も他の部活も使用しておらず、薄暗い館内には金髪と黒髪…メイリンと明がいた。 「驚いたわね。あんた、雪乃の彼氏だったなんて」 「なっ…」 いきなり言葉に詰まった。普段全く話す事のない奴からの呼び出しだったので奇妙に思っ…
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にぢいろあめだま~13

「当分はこのメンバーでいく。レギュラー候補は毎試合ごとに交代で入れていくから、そのつもりで練習に励んでくれ。何か質問はあるか?」 放課後、幸祥高校体育館。バスケ部は夏の関東大会に向けての話し合いのために集合していた。 皆何も言わない。言うはずもない。何故なら、皆早く練習がしたくてたまらないと言わんばかりに目を輝かせ身体をうずか…
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にぢいろあめだま~12

風が吹くたびに散る桜の花びらが鬱陶しい季節になった。 春の終わりが近づき、夏に向けて木々も草花も動物達もこの広い空さえもがその姿を変えようとしている。 それはバスケ部も例外ではなかった。 七月の半ば、東京で関東大会が開かれる。全国大会へと繋がっている大事な試合である。幸祥高校も出場は勿論優勝を狙っていた。 この大会はトーナメント方式…
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にぢいろあめだま~11

空がうっすらと赤みを帯びる帰り道、真っ直ぐ延びる住宅街のちょっと先を漆黒の髪が揺れていた。 「明くん」 声を掛けてみる。 「またあんたかよ…」 諦めたような声を出された。 「何?」 「ねぇ、一緒に帰らない?」 暫らくの沈黙の後、明は歩き出した。 「え!?いいのっ?」 自分でも驚くほどの高い声が出てしまう。それくらい…
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にぢいろあめだま~10

「明くん」 幸祥高校体育館。この場所でバスケ部と女バスの交流試合があったのは、ついさっきの事だ。試合が終わりベンチの方へ歩いていると、いきなり横から呼び止められた。 「・・・なんだよ」 またあんたか、と続けようとして止めておく。若葉だった。 「試合お疲れ様。シュート、格好良かったよ」 こいつ、普通なら恥ずかしくて言えない様な事を平気で…
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にぢいろあめだま~9

始めのようにセンターサークル上に選手が並ぶ。 始めと違うのは、皆疲れきった表情をしている事と、ユニフォームが汗で体に張り付いている事だろう。 「7対4で、ジャガーズの勝ちです。お互いに、礼」 「ありがとうございました」 軽く握手をした後、選手は散っていった。中学生が片付けを始める。 「ナイスシュートだった」 ぽん、と肩に手が置かれ…
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にぢいろあめだま~8

後半戦、残り一分。 現在の得点は、4対4の引き分けである。 さすがにレベルが高い。前半戦、両者とも中々点が決まらなかった。あと三十秒というところでジャガーズが点を決め、2対0で終了となる。 後半戦はキャッツが主に活躍をした。巧くパスをつなぎ一点を取り、更に激しく攻める。 しかしジャガーズには天才千歳日向がいる。日向はPF(パワーフォ…
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にぢいろあめだま~7

あれから1ヶ月が経つ2月の始め、バスケ部親善試合の日。 その会場になっている体育館に若葉はいた。 この親善試合は幸祥高校のバスケ部と女バスの交流試合で、毎年の恒例行事となっている。丁度バレンタインの時期と重なるため、暇な女子達がこぞって試合観戦に来るのだ。 そんな恒例行事も、明にとってこの学校での初の公式試合となる。 「ねえねぇ!若…
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にぢいろあめだま~6

「ほら、内山先輩っていたでしょ」 「うん。メイリンの彼氏だよね」 「ん。別れた」 ぶはっ・・・!!あまりの唐突さにメイリンのくれた『野菜●活』を噴き出してしまった。 そう、今若葉はメイリンの家に来ていた。始め若葉は、メイリンが居留守を使うのではないか、又は本当に留守なのではないかと心配していたのだが、そんな事はなかった。極々普通に家に…
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にぢいろあめだま~5

日曜日、午前9時過ぎ。 金曜日の古典から、メイリンは授業に現れていない。昨日も欠席だった。すごく気になって、家に行ってみる事にする。 公園前を通りかかった若葉はふと足を止めた。 「おはよう明くん。今日もランニング?」 公園にはバスケットボールを持った明がいた。どうやら公園のゴールでシュート練習をしているようだ。 「ん。」 相変わらず…
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にぢいろあめだま~4

明が編入してきた翌朝。土曜日。 携帯のアラームを止め、カーテンを開ける。7:00過ぎだ。 新聞を取りに外へ出た若葉は、もう冬の匂いが消えかかっている風を受け目をすぼめる。 「あ」 家の前を走り抜ける人影に見覚えがある。明だった。 「おはよー・・」 おそるおそる声を掛けてみる。 「ん。おは」 短い返事が来た。犬の散歩をしていたのだろ…
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にぢいろあめだま~3

3時間目の前の10分休みに入った。確か次は古典のテストだ。 メイリンの姿が見当たらない。思い切って席を立つ。明くんに声を掛けてみようと思ったのだ。 私の観察している限り、まだ5~6人の人としか話していないようだ。無言&無表情の明くんに皆警戒しているらしい。 近づく私に気付いたらしく、明くんは視線を上げた。 「久しぶり明くん・・・あ…
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にぢいろあめだま~2

次の日。 いつもなら皆友達とだべっているはずの朝礼が、今日は全く五月蝿くない。 皆の視線はある一点に集中していた。 「え~皆、今日このクラスに編入する月神くんだ。はい、自己紹介して」 山出花見(やまで・はなみ)先生(ウチラの担任。山を3つ書くので、サンヤマ先生って呼ばれている。『ご●せん』のヤ●クミに憧れていて、ヤンナミって…
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にぢいろあめだま~1

「ねっ若葉、一緒に帰んない?」 いきなり肩を叩かれ、ビクッとしてしまう。 「わぁ、メイリンかぁ~;ビックリさせないでよぉ!」 「あはは♪ごめん②!」 笑いながら歩き出す。 私春野若葉は、ここ幸祥高校の2年生。茶髪のショートカットに眼鏡が目印の、ちょっと天然(←よく言われる;)な女子高生だ。 隣で歩いているのは、亀井香梨(かめい・かり…
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